ハンガリーAFVの迷彩色


 今秋に第二次大戦中のハンガリー軍AFVに関しての本を出版する計画があり、本国の研究者とやりとりをしています。

 実車の開発史や部隊史、実戦写真、実車マニュアルからの複写画像などが続々と送られてきますが、カラー塗装図が届いたとき「あれ?なんか茶色が違うぞ?」 と。





  これまで西側の書籍や解説記事、プラモの塗装例などでハンガリー軍の三色迷彩の茶色と言えばレッドブラウンが定説でした。これはモノクロ写真への人工着色ですが、茶色はかなり明るいです。


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 香港のブロンコモデルの1/35 ズリーニイ自走榴弾砲のインストですが、茶色の塗装はレッドブラウンと指示しています。


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 先方に確認すると、「この塗装図は正確だ。西側の出版物のハンガリー軍迷彩塗装は間違っている」 と回答があり、証拠となる当時のカラー写真も送ってきました。

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 迷彩色の茶色は、実際には黒に近いダークアースブラウンで、西側の研究者や専門誌、模型誌から記事の依頼や資料提供を求められる都度、塗装色の間違いについて説明するものの無視され続け、ひどい例だと、正確な塗装図を渡したのに出版された本では、わざわざレッドブラウンに改変されていたことも。

 この誤った認識が広まった原因として考えられるのは、ブダペストの軍事博物館に展示されていたハンガリーAFVの模型で、社会主義政権時代に作られたため、考証がいい加減な塗装でしたが、予算不足から、体制崩壊後も長らくそのままでした。おそらく、これを見た西側の研究者や専門家、模型愛好家が国立の軍事博物館だから、これこそが正確なハンガリー軍の迷彩塗装だと勘違いしたのでは?とのことです。

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ちなみにハンガリーの専門誌などは以前からダークアースブラウンでした。

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T-34・T-34-85モデリングブック

 新紀元社の新刊スケールモデルファンDX「T-34・T-34-85モデリングブック」でGUMKAのT-34-85 1943年型砲塔が紹介されました。思い起こせば発売当時、モデルアート誌が新製品コーナーで紹介してくれただけで、他の模型誌はスルー(泣) 今回めでたく、作例付きで掲載していただき、大変にありがたいことです。





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 タミヤ、ドラゴン、AFVクラブ、アカデミーのキットを使ってT-34とT-34-85の各型を製作しており、終わり1/4ページでポーランドの書籍に掲載されたイラストと図面を使った変遷とキット総覧もあるので、とりあえず、T-34を作りたいけど、どんな製品が出ているのか、わからないという方から、「このキット、どこに手を入れれば良かったっけ?」という、ちょっと記憶が怪しくなってきたベテランモデラーまで重宝する内容です。

 実は、先月20日の東大での講演会で教えてもらうまで、この本を知らず、普通に地元の本屋に注文しましたが届くまで結構、時間が掛かりました。この流通だと、すぐ読みたい本は、某アマゾ●やコンビニ店頭で受け取れるネット書店に注文になりますね。

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ソ連から届いた切手帳

 東京大学五月祭の講演用原稿を書くべく、過去の資料を捜していると、いろんな物を発掘しましたが、その中で「これは!」というネタを紹介します。

 私の持っている資料の多くは、まだ、社会主義国だった頃の東欧やソ連の友人から送ってもらったもので、PCもメールもなかったので、郵便でやりとりをしていました。

 チェコ、ポーランド、東独など東欧から発送される郵便物は、手紙も本も写真も問題なく届くのに、ソ連からは雑誌や本はともかく、手紙は遅配や行方不明が、たまにあり、特に戦車の写真が同封される手紙は高い確率で行方不明(未着)になりました。

 ロシア人の友人によれば、本来、第二次大戦中の戦車の写真に関しては、機密もないため、海外発送は問題ないはずなのに、西側行きの手紙に写真が同封されていると、当局によって開封検閲され、検閲官は大戦中の戦車か現用戦車かの区別ができないので全て没収するとのことでした。

 受取る側である私は「まあ、ソ連だからな」と諦めていましたが、発送元である友人は、この仕打ちに、かなり腹を立ており、「当局の裏をかく」と息巻いておりました。

 ある日、彼から「次回は、雑誌と一緒にIS-3の写真を送る」と手紙が届き、翌月、ソ連の模型雑誌と共に一冊の切手帳が送られてきました。




 大祖国戦争がテーマの切手ばかりだったので、最初はプレゼントかな?と思いましたが、一枚の切手が浮いているなと思い、何気なく触ると


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あ、IS-3のカラーポジがこんなところに…


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 これじゃ、まるでスパイ小説です。

 彼によれば、IS-3は第二次大戦中の戦車とは言い切れない微妙な存在なので、当局に没収されないよう工夫したとのことですが、いやいや、そういう問題じゃなくてさぁ…

 このままエスカレートされると彼が逮捕されかねないので、なんとかせねばと考え、ソ連から東欧に写真を送るのは問題なかったため、一旦、チェコの友人宛に送ってもらい、そこから日本に転送する方式に変更し、以降、時間は余計に掛かるものの、無事に写真が届くようになりました。

 もし、私が同じ状況なら、当局に目を付けられるような真似はしませんが、彼曰く「この程度なら逮捕はされない」「万一、呼び出されたら、もっとルールを勉強して社会主義を担う労働者たる誇りを以て職務を遂行しろ、と抗議してやる」とのこと。逞しいのか、アホなのか、反骨精神なのか、はたまた、そういう国民性なのか?

 あまりに衝撃的だったので、切手帳ごと30年くらい保管しておきましたが、講演のネタに使わせていただきました。



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東京大学五月祭での講演が終了


 5月20日に開催された東大戦史研主催の東京大学五月祭講演が無事に終了しました。御来場いただきました皆様、ありがとうございました。

 講演内容と使用するスライド画像の事前提出があったため、原稿を用意せねばならなんのですが、仕事の都合上、ホビーショーが終わってから本格的に原稿を書き始める羽目に。しかも、書いてる途中、過去の資料やアルバムを引っ張り出すと、懐かしさの余り、ついつい読みふけったり、ノスタルジーに浸るので、完成はずるずる遅れ、結構、タイトなスケジュールでした。





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 午前10時から始まった講演は、学生さんや一般の方向けということで、なぜソ連軍とソ連戦車にハマったのか、冷戦時代、どうやって資料収集したのか?資料収集からのレジンキットメーカーの起業と模型店の開業など濃い狭い話題を避けて構成しましたが、講演後の質疑応答では、模型の流通に関してや、これからの模型の方向性など、かなり突っ込んだ質問が多く、もっと内容を模型に絞って、レベルを上げても良かったかな?とも反省しております。


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 久々に再会できた方も多く、中には模型店時代のお客さんで、この講演のために新潟から上京された方もいらっしゃいました。

 質疑応答時間を設けましたが、コアな質問はしづらかったのか、講演当日の夜から、講演内容に絡めてメールやメッセージを何通か頂戴しました。やりとりするうちに、またKV-85やIS-2を作りたくなりました。模型の仕事は、ぼつぼつ引退ですが、趣味の模型製作は一生続きますからね。

 御来場いただいた皆様、講演の機会を御用意くださった 主催者である東大戦史研の方々には、ひたすら感謝です。本当にありがとうございました。



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東京大学で講演会

静岡ホビーショー翌週の来月20日に東京大学の本郷キャンパスで開催される「第91回五月祭」にて、東大戦史研主催で講演会をやることになりました。

開催日: 5月20日(日曜日)
会場: 本郷キャンパス工学部2号館211講義室
参加費: 無料
開場: 9:45
開演: 10:00
終了予定時刻: 13:00

アクセス
東京大学本郷キャンパス工学部2号館211講義室
地下鉄丸ノ内線、都営地下鉄大江戸線「本郷三丁目」駅より徒歩12分
地下鉄千代田線「根津」駅もしくは「湯島」駅より徒歩10分
地下鉄南北線「東大前」駅より徒歩8分

詳細はこちらを御覧ください。


 これまでAFVの会などで講演をしたことはありますが、聞いてくださる方々がマニアックなモデラーなので「第二次大戦のソ連軍の給水システム」とか「戦車用暖機装置について」とか「ドラゴンモデルズは、どうしてダメになったのか」等々、濃い目な話題がOKでしたが、今回は学生さんや一般の方とあって

「旧ソ連や東欧のミリタリーに目覚めたきっかけや海外模型メーカーとのエピソード、旅行記などをお願いします」とのこと。

Т-34=FN08050


う~ん、これは簡単なようで難しい。しばらく悩みまくります。


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